【食品添加物をめぐる重要な10項目】9. 十年間、食品添加物による健康被害は報告されていない

食品添加物の安全性は、どんな食品にもリスクはあるとする「リスク分析」の考え方に沿って、評価されている。アレルギーの原因を食品添加物だとする意見もあるが、アレルギーは各個人の体質によるものであり、抗原性試験で問題がない食品添加物を原因とすることは正しくない。また、複数の食品添加物の複合作用で、健康に悪影響があるとする意見もあるが、個々に安全性が確認された食品添加物の複合影響については、安全性を十分に確保できるとする調査報告がある。
参考:「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査報告書」食品安全委員会、2006

■食品添加物編解説
食品衛生行政や企業の努力あるいは安全評価技術の向上により、近年、食品添加物に関係する事故はほとんど起こっていません。けれども一部の消費者団体やマスコミが偏りのある誤った情報を流すことがあるため、消費者は食品添加物に対する不安をいだき、とまどっています。流された情報は個人的な危険意識や部分的で説明不十分な事柄をもとにしているため、多くの誤解を生んでいると考えられます。正しい情報を得て、事実を冷静にかつ正確に伝えることが重要です。

(1)食品添加物の健康影響評価
食品添加物の安全性は科学的に確認されています。前述のとおり、食品添加物は動物を使った安全性評価試験が行われています。食品添加物の安全性は、リスク分析に基づき食品安全委員会と厚生労働省や農林水産省、消費者庁などで管理されています。リスク分析とは「どんな食品にもリスクがあるという前提で、科学的に評価し、妥当な管理をすべき」という考え方です。

食品添加物の健康影響評価(リスク評価)は、食品安全委員会が科学的知見にもとづき、中立・公正な立場で行っています。

図 3-3 食の安全性を確保するしくみ
(出典:(一社)日本食品添加物協会「もっと知ろう!食品添加物」)

国内外の研究の成果や動物試験の結果などをもとに、研究者など専門家からなる専門調査会や委員会で審議し、評価します。食品添加物が食品の摂取を通じてどのような影響(有害性)を及ぼすかを評価する定性的リスク評価やこの定性的リスク評価に量的概念を導入し、どのぐらいの量を摂取するとどの位の確率でどの程度の健康への影響があるかを評価する定量的リスク評価を行います。

(2)食品添加物はアレルギーの要因?
アレルギーとは免疫反応が過剰に起こることで、普通の人が何の反応も示さない物質に対して特定の人だけが敏感に反応し、かゆみやじんましん、皮膚炎、腹痛、下痢などの症状をおこすことをいいます。アレルギーの原因は、花粉やダニ、ほこりや化粧品など様々なものが知られています。食品では、卵や牛乳、大豆などがよく知られます。食品添加物の中にもアレルギーの原因になるものがあるという報告はありますが、これはごく一部の人にアレルギーのような症状を起こす可能性があるということでほとんどの人には影響を与えることはありません。食品添加物においては、乳由来のカゼインナトリウムなどアレルギーの原因となる特定の食品を原材料としている場合には、「カゼイン Na(乳由来)」のように表示されます。アレルギーや過敏症は食物の毒性というより、個人の体質に関係することなので、アレルギー体質の方は食品の原材料表示を確認し選ぶことが大切です。

(3)複数の食品添加物を摂取すると健康に悪影響が出る?
「多くの種類の食品添加物を摂取すると複合作用により体に悪影響が出る」、「食品添加物はできるだけ減らした方が良い」といった、食品添加物の複合的な影響への漠然とした不安が消費者の間に根強く存在しています。また、そのような不安をあおるようなマスコミ報道も後を絶ちません。食品添加物は人に影響を及ぼさない量しか摂取されないように使用基準などがあり、管理されています。現在使用が認められている食品添加物は体内に蓄積することはなく、リスク評価やリスク管理も行われているので、その複合的な影響についても問題はないと考えられています。食品安全委員会は、平成18年度に「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査」を行いました。その結果、個々に安全性が評価されている食品添加物は、複合的影響についても安全性を十分確保できると報告しました。

参考:複数の添加物のよる複合的な影響について

※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ」にある「食品添加物編」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

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