【食品添加物をめぐる重要な10項目】8.「無添加」、「添加物不使用」は安全性と無関係

「無添加」「添加物不使用」などの表示に、消費者は食品添加物を使わない方が安全だと誤解し、添加物が一切使われていないと思いこんでいる。実際には、無添加には定義もなく、安全性とも無関係。これは無添加の表示に法的な制約がないことによる混乱といえる。不適切な「無添加」表示は、誤解を助長する広告・宣伝でもあり、消費者の商品の合理的な選択を妨げ、企業の商品開発にも悪影響を与える。食品添加物の定義と利用目的の周知が必要である。

■食品添加物編解説

最近では、食品添加物無添加と表示される食品をよく見かけます。商品名より「無添加」という表示のほうが大きい商品さえあります。食品添加物の表示には法令による詳細な規定がありますが、無添加表示には規定がなく、何が添加されていないのか明確でないものも見受けられます。メーカーはマーケティングの戦略として無添加と表示しますが、本来、食品の表示は使用したものを示すものです。無添加が体によいという科学的根拠はありません。消費者に誤解を与えないような配慮が必要です。

(1)無添加表示の実態調査
(一社)日本食品添加物協会は、食品添加物に対する無添加表示についての実態調査を東京や大阪のスーパーなどで行いました。その結果、みそや調味料、弁当など多くの加工食品に「無添加」、「○○無添加」などの表示がありました。中には「無添加、安心にこだわり」のような無添加を誇張するような表示もありました。多くの食品に無添加の表示がありましたが、無添加表示には法令の規定がないため、「無添加」と表示してあっても、食品の原材料や食品を加工するすべての工程で食品添加物を使用していないのかどうかは、明確ではありません。これでは、消費者に不正確な情報を与えることとなり、食品を正しく選択する機会を損なうことになります。また、「安心にこだわり」などの表示は、食品添加物を使用する意義や有用性あるいは安全性に対する誤解を招きますし、食品添加物を使った加工食品全般に対する信頼性を低下させるおそれがあります。

明らかに食品添加物を使用しているのに、あるいは表示免除の添加物(後述)を使用しているのに拘わらず無添加と表示する事実に反した表示、「保存料や合成着色料などの添加物は、人体や健康に悪影響があるうえに…」のような科学的な根拠もないのに、食品添加物の有用性や安全性を否定する表現を、同協会は好ましくない表示の事例にあげています。

消費者庁の食品表示基準Q&Aにおいても「加工助剤やキャリーオーバー等のように食品表示基準第3条第1項の表の添加物の項の規定により表示が免除される添加物を使用している場合には、添加物を使用していない旨の表示をすることはできません。また、「無添加」とだけ表示することは、何を加えていないかが不明確なので、具体的に表示することが望ましいと考えます。さらに、同種の製品が一般的に添加物が使用されることがないものである場合、添加物を使用していない旨の表示をすることは適切ではありません。」と回答を出しています。

「無添加」表示は、そうでない食品よりも安全であるとのイメー ジを消費者に与えています。しかし、添加物の有用性や安全性が確保されている以上、「無添加」表示は安全性と関係なく、根拠のない不安を消費者に与えているだけです。「無添加」の科学的な意味を消費者に正しく伝え、理解してもらうことが必要です。

(2)「無添加」の意味
(一社)日本食品添加物協会は、消費者に誤解をまねくおそれのある無添加表示を自粛するよう食品関連業界などに要請しています。そこでは、「無添加」あるいは「○○無添加」の用語の意味は、以下の通りとしています。

「無添加」とは、原材料の産地から最終加工食品が完成するまでの全工程において、一切食品添加物が使用されていないことをいいます。加工食品で表示が免除される加工助剤、キャリーオーバー(原料中に含まれるが、使用した食品には微量で効果のないもの)、栄養強化剤などの食品添加物も添加されていないことをいいます。「不使用」、「無添加調理」なども「無添加」と同じです。

「〇〇無添加」とは、原材料の産地から最終加工食品が完成するまでの全工程において、食品添加物〇〇が使用されていないことをいいます。「〇〇不使用」、「〇〇無添加調理」なども「〇〇無添加」と同じことです。


※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ」にある「食品添加物編」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

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