【科学的な情報の読み方と伝え方】5. ADI(1日許容摂取量)の考え方

※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ」にある「科学的な情報の読み方と伝え方」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

科学的な情報の読み方と伝え方
科学では、事実を正しく伝えることがとても重要です。そのため、科学的な文章では、内容を誤りなく伝えるためのルールや方法があります。ここでは、その基本やデータの見方を紹介します。

5. ADI(1日許容摂取量)の考え方
ADI(1日許容摂取量)は、食品や農薬の安全性などを評価するのに使われる値です。食品の安全を考える上で、とても重要です。

(1)安全性の評価
食品の安全性の評価は、動物実験の値から人への影響を予測 する「リスク」に基づいて行われ、「リスク分析」により安全性を判断しています。「リスク分析」は「リスク評価」、「リスク管理」および「リスクコミュニケーション」からなります。リスク評価とは、食品の安全性を科学的に評価することで、ADI を設定するのも、そのひとつです。食品添加物や農薬の使用基準は、ADIを超えないよう定められています。

(2)ADIは、食品添加物や農薬の使用基準
ADIとは、食品添加物や農薬などの物質について、毎日、一生涯とり続けても健康への悪影響が出ないと考えられる1日あたりの摂取量をいいます。一日あたりの量を、体重1kg あたりで示します(単位は mg/kg/day)。例えば、ADIが 0.02mg/kg/day とは、体重 1kgあたり毎日0.02mgまでなら、一生涯摂取しても大丈夫であろうということです。
ADIは、それぞれの物質についてラットやマウスを用いて行った動物実験の結果から求めます。まず、最も感受性の高い実験動物に対して有害影響の生じない量、すなわち無毒性量(NOAEL)を求めます(図4-1)。さらに、その数値に安全係数をかけて、ADIを求めます。通常は、安全係数を100 分の1とします。これは、動物と人との種の違いを考慮して10分の1、さらに個人差を考慮して10分の1を乗じたものです。化学物質によっては、1000分の1とすることもあります。

図4-1摂取量と生体への影響の一般的な関係
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