【科学的な情報の読み方と伝え方】4. リスクの示し方

※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ」にある「科学的な情報の読み方と伝え方」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

科学的な情報の読み方と伝え方
科学では、事実を正しく伝えることがとても重要です。そのため、科学的な文章では、内容を誤りなく伝えるためのルールや方法があります。ここでは、その基本やデータの見方を紹介します。

4. リスクの示し方
食品や環境の安全性を考える上で、「リスク」という考えが重要視されています。

(1)リスクは悪影響のおこる確率
リスクとは、「ある行動に伴って、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念」と理解されています。どんな食品でも、 食べ方や量が適切でなければ健康に悪影響を及ぼすことがあるし、有害な物質が含まれている可能性もあります。食の安全におけるリスクとは、食品を食べて悪影響の起る確率とその深刻さの程度をいいます。たとえば、毒性の低いものでも、量を摂りすぎればリスクは大きくなるし、毒性の高いものであっても 摂取量がごく微量であればリスクは小さいといえます。リスクが小さいということは、安全性が高いことを意味します。

(2)リスクの考え方と示し方
リスクには、以下のような考え方や示し方があります。

①リスクとハザードは違う
ハザード(危険)は危害が存在するのかしないのかということ。リスク(危険性)とは、ハザードにあう可能性です。いくら大きなハザードであっても、それが起こり得ないようなものであれば、リスクは小さくなります。
例)毒キノコ:いくら毒性が強いといっても、食べなければリスクはない。

②リスクは相対的な概念である
リスクが大きいとかリスクが小さいというのは、相対的な概念です。リスクの大きさをわかりやすい数字などで示し、その事柄がどこにあるかを比較し、検討できるようにするとよいでしょう。
例)コンニャクゼリー:1億回、口に入れた場合に窒息する頻度を推計したところ、コンニャクゼリーは0.16〜0.33、餅では6.8〜7.6、飴類では1.0〜2.7だった。食品安全委員会はコンニャクゼリーのリスクは飴玉程度と判断した。

③ゼロリスクは存在しない
ゼロリスクとは、全くリスクのないことです。食品添加物や農薬などで、しばしばゼロリスクを求められますが、ゼロリスクは存在しません。リスクのないことを科学的に証明することもできません。また、あるリスクを小さくすれば、別のリスクが大きくなることもあります。
例)食塩:ふだん食べている食塩は、生体にも必要な物質。しかし、体重70kgの人が一度に200gも食べれば命を落としかねない。

④リスクとベネフィット
リスクがあっても、ベネフィット(利益)が大きければ、役立つことがあります。ある物質のリスクをクローズアップすると、そのベネフィットを享受している人に、不都合を負わせることにもなります。
例)サッカリン:約50年前、発がん性があるとメディアな どで大きく報道された甘味料。しかし、糖尿病患者にとっては、砂糖に替わる大切な甘味料だった。その後の調査で、安全性が認められた。

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