※本論説は朝日新聞DIGITAL「論座」に2018年8月20日付で掲載されたものを転載(一部再編集)
A 旧来の種子法の下でも、海外企業は日本の種子事業に参入できた。だが実際にそのような例がほとんどなかったのは、人口減少が続き、米の生産量も減り続けている日本に、新たな投資をするだけの魅力が乏しかったからである。
さらに、遺伝子組換えの大豆やトウモロコシは現在でも大量に輸入されているが、国内での栽培はない。それは農業者や消費者の自由な選択の結果であり、たとえ海外企業が遺伝子組換え作物の種子を国内で販売しようとしても、農業者も国民も受け入れないだろう。
回答者:公益財団法人食の安全・安心財団理事長、東京大学名誉教授 唐木英明