仕組まれたIARC発表とラウンドアップ集団訴訟 訴訟ビジネスを担う唯一の外部専門家顧問クリストファー・ポワティエ氏

IARC
本記事は、反グリホサート活動家の資金源、透明性、動機、アメリカの化学企業に対する訴訟で果たしたIARCの役割、そして彼らに関わる科学者の質を問うと同時に、反グリホサートキャンペーンが欲深さと欺瞞に満ちていることを明らかにするものである。

本記事は、モンサント(現バイエル)のラウンドアップ訴訟に関連する製造物責任裁判の審問(社内内部記録の「モンサントペーパー」としてよく知られている)におけるクリストファー・ポワティエ氏の裁判前に行われる証拠開示手続きの一つ「証言録取」の発言に基づく。ポワティエ氏は2015年3月に「グリホサートにはおそらく発がん性がある」という判断を下したIARC(国際がん研究機関)ワーキンググループの外部特別顧問であり、IARCグリホサート会議で唯一の外部専門家顧問だった。
■法律事務所の想定通りに進んだIARC発表と集団訴訟

ポワティエ氏は、IARCがグリホサートの発がん性に関する意見を発表した週に、グリホサートとがんを関連づけ、モンサントを訴える準備をしていた2社の法律事務所(Lundy Lundy Soileau & South、Weitz & Luxenberg)と訴訟コンサルタント契約を交わした。ポワティエ氏の法律事務所での役割は、2つの事務所がモンサントに対する訴訟を準備するにあたって文書を読み、科学的な問題について弁護士に助言することである。彼はグリホサートワーキンググループ会議に参加する2カ月前からコンサルタント契約することになる法律事務所と連絡を取り合っていた。つまり両法律事務所は、IARCがグリホサートワーキンググループ会議を開催する前からモンサントに不利な意見表明がなされることを想定した訴訟戦略を計画し、巨額賠償請求訴訟のためのドリームチームを準備していたことになる。

■訴訟コンサルタント契約を隠す条項

証言録取前に提出したレポートによると、ポワティエ氏のコンサルタントとしての請求額は1時間あたり450ドル(約47,000円)。また、ポワティエ氏は、2ページのメモを読むために19時間分の仕事を法律事務所に請求していた。そのための時給も450ドル/約47,000円である。さらに、2017年6月の時点で、ポワティエ氏は初期の訴訟関連文書の準備と移動費として、少なくても160,000ドル(約1,700万円)を受け取っている。

しかも、この契約にはポワティエ氏のコンサルタント契約を明らかにしてはならない守秘義務条項が含まれていた。訴訟コンサルタントとして関わっていることを誰にも言わない限り、彼は報酬を受け取ることができた。

■安全を主張する他の規制機関からの防波堤

証言録取として提供された電子メールにより、グリホサート禁止運動においてポワティエ氏の役割が不可欠であったことが明らかになった。彼はIARCへ送ったメールの中で、IARCの評判と論文の結論を守り、IARCの調査結果に対して異議を唱えるBfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)とEFSA(欧州食品安全委員会)の反論にも対応することを約束していた。

■未経験のグリホサートで外部専門家顧問に

証言録取の中で、ポワティエ氏はIARCグリホサート会議で唯一の外部専門家顧問になる前にグリホサート関連の仕事の経験はなかったことを認めた。彼は統計学者で、以前は携帯電話を含む多種多様な対象の研究に取り組んだことがあった。しかし、農薬の毒性学全般と、特にグリホサートに関しては仕事をしたことも、出版したこともなければ、関わったことすらなかった。

■IARC内部で反グリホサート・反モンサントを先導

2015年3月にIARCは、グリホサートを「おそらく発がん性があるグループ2A」に分類した。世界中のすべての規制機関や研究機関は、例外なくIARCの結論を否定した。しかし、これがきっかけとなり、環境活動家コミュニティ、反GMOを唱えるNGO団体、オーガニック食品業界のロビー活動家の間で、グリホサートの禁止を求めるキャンペーンが始まった。

ポワティエ氏が議長を務めた2014年のIARC委員会では、彼が唯一の技術専門家として指名されたワーキンググループの研究対象物質として、グリホサートが提案された。彼は1960年代から反農薬キャンペーンを実施しているアメリカのNGO団体EDF(環境防衛基金)にも所属していた。以来、IARCはポワティエ氏に先導される形で、反グリホサート・反モンサントの活動を推進してきた。

ポワティエ氏は、グリホサートの禁止を検討する会議が開催されれば、世界中どこでも訪れた。欧州保健委員会、欧州化学機関、ドイツ連邦議会に助言し、同時にグリホサートの禁止を試みているEUのほぼすべての保健大臣や環境大臣と会っていた。

■IARC分類を利用した訴訟ビジネス

ポルティエ氏と契約した両法律事務所はまた、企業による不正行為の被害者に光をあて、市民が確実に怒りの声を上げるように誘導するキャンペーンや政策論議に手をつけ始めた。市民の認識を操作し、活動家、リーダー、NGOと協力して恐怖や怒りを生み出し、スケープゴートとなる企業を見つけては、彼らを相手取って訴訟を起こしたのである。

この戦略は現在、モンサントだけでなく、IARCが2006年に「おそらく発がん性がある」グループに分類したタルカムパウダー関連の集団訴訟と戦うジョンソン・エンド・ジョンソンに対しても実行されている。IARCの発がん性分類の発表を引用する形で進行中の集団訴訟の例は、特定の工業用溶剤からディーゼル排気ガスまで他にもいくつかある。

つまり科学的に確定していない危険性に関する研究をもとに、巨額の賠償金や和解金(その結果、法律事務所は巨額の成功報酬を得る)狙いの集団訴訟を計画する悪意のある弁護士が被害者を見つけてきて、科学リテラシーの低い陪審員を騙すためのサポートをIARCが行っているということだ。元の研究ワーキンググループから訴訟コンサルタントを引き抜くだけで信頼性が高まり、あとは収益が増加するのを見ていればいい。ポワティエ氏はその片棒を担いで高額の報酬を得ている当事者なのである。 

原文
「クリストファー・ポワティエ - グリホサート禁止運動の中心人物である高給取りの活動家兼科学者(David Zaruk 2017年10月17日公開) 」を翻訳・編集した。


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