【科学的な情報の読み方と伝え方】3. データの表し方

※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ」にある「科学的な情報の読み方と伝え方」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

科学的な情報の読み方と伝え方
科学では、事実を正しく伝えることがとても重要です。そのため、科学的な文章では、内容を誤りなく伝えるためのルールや方法があります。ここでは、その基本やデータの見方を紹介します。

3. データの表し方
科学的文章には、事実を具体的に伝えるために数値や図表が使われます。これらには、客観的に正確に表すためのルールが あります。

(1)数値には誤差がある
データを示す数値には、計算や測定の誤りやばらつきによる誤差が含まれます。数値を正しく表すために、計算や測定の誤りは検算や補正などを行います。また、データ数が少ないケースやばらつきの大きいデータは信頼できないので、複数のデー タを集めて統計的処理を行い、最確値(もっとも確からしい値) と信頼度で示します。統計では、データの数を明らかにすることが必要です。

(2)検出限界以下は、ゼロではない
分析化学では、データを「検出限界以下(N.D:Not detected)」で示すことがありますが、これは「ゼロ」を意味するわけではありません。「検出限界」とは、検出できるかできないかの限界をいいます。検出限界以下とは、データが検出限界より小さく、分析できないということです。同様に、「定量限界」もよく使われます。これは、ある分析においてデータが小さすぎたり大きすぎたりして、定量できない限界をいいます。

(3)単位の表し方もいろいろ
科学的文章では、数値と同様、単位が頻繁に出てきます。単位は国際単位系(SI)を使います。これは、7つの基本単位とふたつの補助単位を組み合わせてつくるものです。普段の生活では、SI 単位以外の単位も使われていて、こちらのほうがわかりやすいこともあります。たとえば、SI 単位では、温度はK(ケルビン)ですが、°C(摂氏)や°F(華氏)も例外的に認められています。

かなり大きな値や小さい値にはM(メガ:106)やG(ギガ:109) あるいはμ(マイクロ:10-6)やn(ナノ:10-9)といった接頭辞がつけられます。日常生活とかけ離れた値でも、科学では大きな意味を持つこともあります。

(4)ppmは割合を示す
農薬や食品添加物の濃度などを表すときによく使うppm(ピーピーエム)とは、割合や比率を表す用語で、Parts per million の略です。ある量が全体の100万分のいくつかを示します。そのほか、ppb(ピーピービー:10億分の1)やppt(ピーピーティー:1兆分の1)もあります。これらは、微量成分の分析などに使います。1ppmは、長さでいえば1kmのうちのわずか1mmとごく少ない量を示します。少し大げさにppmの数字が表現されていることもあります。使い方には要注意(表1)。

表1
(出展:農林水産省「農薬の基礎知識 詳細」http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tisiki/tisiki.html#kiso1_1)

(5)図表のルール
図(グラフ)や表(テーブル)は、結果を直接示し、科学的な文章では重要なものです。図表の書き方には、1.縦軸や横軸など軸の説明をすること、2.単位を統一すること、3.対照のデータを忘れずに入れること、などのルールがあります。図表に示されるデータの総数や散らばりは、そのデータの信頼性を示します。

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