【農薬をめぐる重要な10項目】9. ポストハーベスト農薬も、残留基準値で管理されている

※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ 農薬編」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

9.ポストハーベスト農薬も、残留基準値で管理されている

ポストハーベスト農薬とは、収穫後の農産物に使われる殺菌剤や防かび剤などをいいます。日本で収穫後に使用が認められている農薬は、「くん蒸剤」と「熟期抑制剤」の一種です。海外からたくさん輸入される果物などは船での運搬、穀物や豆類などは倉庫の貯蔵にさらに日数がかかるため、防虫剤や防腐剤、防カビ剤などを使うことがあります。日本と海外では農薬の定義が異なり、ポストハーベスト農薬に類する防かび剤(オルトフェニルフェノール、ビフェニル、チアベンダゾールなど)や防虫剤(ピペロニルブトキシド)は、日本では食品添加物として指定され、制度上は農薬と区別されています。いずれにせよそれらの、食品(作物)への残留が残留基準の範囲内でおさまっているかどうかで、食品の流通が規制されます。

■農薬編解説

ポストハーベスト農薬とは、収穫後の農産物に使われる殺菌農薬 剤や防かび剤などをいいます。日本で収穫後に使用が認められている農薬は、くん蒸剤と「熟期抑制剤」の一種です。いずれの農薬も食物や農産物の農薬残留量には基準値が設定されており、健康に影響を及ぼさないように管理されています。

(1)ポストハーベスト農薬とは
ポストとは「後」、ハーベストは「収穫」を意味します。ポストハー ベスト農薬とは、収穫後の農産物に使われる農薬をいいます。

海外からたくさん輸入される果物などの農産物は、船で運ばれてくると、日本に届くまでに時間がかかります。また、穀物や豆類などは、長期間倉庫に貯蔵される場合があります。そこで、海外では、輸送や貯蔵中に、農産物に虫がついたり、かびが生えたりして、品質が低下するのを防ぐために、防虫剤や防 腐剤、防カビ剤などのポストハーベスト農薬を使うことがあります。日本で収穫後に使用することが認められている農薬は「くん蒸剤」と「熟期抑制剤」の一種です。くん蒸剤には臭化メチル、シアン化水素、リン化アルミニウムなどがありますが、現状では穀物の害虫駆除に使われる臭化メチル以外はほとんど使われていません。熟期抑制剤では、収穫後のナシ、リンゴ、カキに対して「1-MCP」の使用が認められています。

収穫後に農薬を処理すると残留量は多くなりますが、食物や農産物の農薬残留量には基準値が設定されており、健康に影響を及ぼさないように管理されています。

(2)日本と海外では農薬の定義が異なる
ポストハーベスト農薬は、収穫前(プレハーベスト)に使用される農薬とは別のものと思われがちですが、農薬取締法や残留農薬基準では、収穫の前か後かというような使用時期による農薬の区別はありません。一方、CODEXなど海外の規定では「ポストハーベスト農薬」として使用が認められているものが含まれています。日本と海外では農薬の定義が異なるのです。

ポストハーベスト農薬に類する防かび剤(オルトフェニルフェノール、ビフェニル、チアベンダゾールなど)や防虫剤(ピペロニルブトキシド)は、日本では食品添加物として指定され、 制度上は農薬と区別されています。収穫後の作物はその時点で食品とみなされるため、海外ではポストハーベスト農薬であっても、日本では食品の保存の目的で使用される食品添加物として扱われるのです。そのため、農薬取締法ではなく、食品衛生法の食品添加物として、残留基準で規制されます。

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