【農薬をめぐる重要な10項目】7. 全ての農薬はポジティブリストで管理される

※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ 農薬編」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

7. 全ての農薬はポジティブリストで管理される

残留農薬の規制の仕方には、「ネガティブリスト制度」と「ポジティブリスト制度」があります。2003年5月に行われた食品衛生法の改正によってポジティブリスト制度が導入されました。 食品(作物)ごとに農薬の残留基準値を定めてリストアップし、 それを超える農薬残留のある食品(作物)については流通を禁止するという制度です。この制度の規制を完全にする為、1)残留基準は原則として0.01ppmとする「一律基準」、2)海外 での数値などを参考にした「暫定基準」、3)ヒトの健康を損なう恐れのない物質として重曹やアミノ酸など食品衛生法で定めた65物質の「対象外物質」が設けられました。

残留基準、一律基準、暫定基準いずれにおいても、基準値を超える場合はその食品(作物)の流通が禁止されます。

■農薬編解説

ポジティブリストとは、すべての食品の残留農薬を規制する 農薬制度です。基準値の範囲内で残留を認める農薬をリストアップし、それを超える残留のある農作物等の流通が禁止されています。

(1)ネガティブリストとポジティブリスト
残留農薬の規制の仕方には、「ネガティブリスト制度」と「ポジティブリスト制度」があります。ネガティブリスト制度は、原則規制が無く、規制する農薬のみをリスト化し、リストに記載された農薬の残留基準を定めたものです。 

この基準値を超えて残留農薬が検出された農作物は、その流通が禁止されます。以前は、このネガティブリスト制度に基づき、農薬の残留基準が定められていました。しかし、この制度では、リストにない農薬の残留は、規制の対象外となるためその食品の流通が認められていました。たとえば、輸入食品に農薬の残留が検出されても、リストになければ流通が規制できなかったのです。

そこで、2003年5月の食品衛生法の改正によってポジティブリスト制度が導入されました。この制度の規制には「一律基準」、「暫定基準」、「対象外物質」が設けられました。

(2)ポジティブリスト制度による規制
ポジティブリスト制度では、残留基準は原則として0.01ppmの一律基準が設けられています。さらに、安全性審査が行われ、残留基準の設定されている農薬については、その基準以内での作物への残留が認められています(図2-2)。

ポジティブリスト導入前に定められていた各農薬の残留基準値は、国内外で使用が認められているすべての作物を網羅してはいませんでした。そのため、ポジティブリスト制度では、国際標準規格に合致している輸入農産物でも、そのリストになければ食品衛生法違反として販売や流通ができなくなる恐れがありました。

国内で、ある農薬の残留基準がない作物は、CODEXなどの基準を参考に暫定基準が設定されました。

そこで、厚生労働省では、残留基準値が設定されていない農薬について、国際基準であるCODEX(コーデックス)基準や国内で環境大臣が定める登録保留基準*、先進諸外国の基準を参考として暫定的基準値を設定しました。一律基準、暫定基準いずれも、基準値を超える場合はその食品の流通が禁止されます。
ポジティブリスト
図2-2 食品衛生法による残留農薬基準のポジティブリスト制度
(出典:農薬工業会資料を参考に作成)

また、ポジティブリスト制度の対象とならない対象外物質が設定されました。残留しても、人の健康を損なう恐れのない物質として重曹やアミノ酸など65物質が食品衛生法で定められて います(表2-6)。

※登録保留基準とは、農薬が農作物、土壌、水質を汚染し、人畜または水産動植物に被害を生ずるおそれについて等の判断するときの基準のことです。食品に関する基準は厚生労働省の管轄です。作物残留性、土壌残留性、水産動植物への毒性、水質汚濁などの環境に 関わる登録保留基準の4種類については、環境大臣が告示します。

表2-6 残留基準を設定しない農薬(対象外物質*)
*人の健康を損なうおそれのないことが明らかである全65物質(出典:農薬工業会)

この内容は参考になりましたか?
ご回答いただきまして、ありがとうございます。
今後の参考にさせていただきます。
Powered by i-ask
Page Top